市民クラブ行政視察②(東京都北区・宇都宮市)

2日目は午前中は東京都北区で『議会における視聴覚障碍者支援システム』について視察しました。

北区議会では、平成22年度から議会のIT化を検討、段階的に試行実施を行い、平成27年5月から全ての会議でのIT化(パソコン・スマートフォン・タブレット等)が実現されました。これは東京23区で初めての導入だそうです。

今回の全面IT化に伴い、平成28年度に施行された障害者差別解消法への対応として、平成25年度より聴覚障害者への傍聴対応の検討を行ってきました。

その後、北区議会選挙において聴覚障害の議員が当選されたこともあり、ITコミュニケーションツール(音声同時翻訳ソフト、音声読み上げソフト)を介した全国初の、聴覚障害のある議員の受発話と聴覚障害者の議会傍聴が可能となったそうです。

実際のデモンストレーションも体験させていただきましたが、文字変換率は約8割で、タイムラグは殆どありませんでした。

姫路市議会では、現在、ペーパレス化等の対応も含めて全議員へのタブレット端末の導入を検討していますが、障害者差別解消法の主旨等も踏まえ北区の事例などもしっかり提案していきたいと思います。

 

午後からは宇都宮市に移動して、『不登校児童生徒の適応支援事業の推進』についてと『通学路交通安全プログラムに基づく交通安全対策の推進』についての2つのテーマを視察しました。

『不登校児童生徒の適応支援事業の推進』

宇都宮市の不登校児童生徒の対応は、教育センター内に設置している『教育相談室』で不登校や学校生活での不対応についての相談に対応する『教育相談』と就学や進学に関する相談や特別支援学級での支援について対応する『就学相談』があり、不登校の子どもたちが先生や学校との『つながり感』を実感できるよう担任とは異なった視点から、学校の先生方と連携しながら支援を行います。

【教育相談室】

・面接相談やカウンセリング、プレイセラピーなどを担当者と個別の相談を実施

・保護者や子どもと相談しながら、子どもの状態に応じた支援の場を考えていく

【適応支援教室『とらいあんぐる』】

・教育センター3Fの教室で学校復帰や適応支援教室・相談学級の利用等について相談を行いながら、当面の居場所を必要としている児童生徒を対象に、6ヶ月を目安に通い、状態に応じて期間を延長

・主な支援内容として、自主活動(学習や読書)を中心に、スポーツ、室内ゲーム等

【適応支援教室『まちかどの学校』】

・郊外の専用施設内で、小集団での活動により学校復帰を目指す児童生徒や緊張が非常に強い等、学校復帰を当面の目標としている児童生徒を対象に、担当教諭やスクールカウンセラー等に加え、多くの市民ボランティアが通級性の活動を支援

・主な支援内容として、ゼミ活動(学習や運動、創作活動等、一人ひとりの興味関心に応じて参加できる活動)やキャンプ、文化祭等の行事

【築瀬小・旭中『相談学級』】

・教育センターに隣接した学校内で、じっくり自信をつけたい児童生が原籍校等の通常学級への復帰を目指したい児童生徒を対象に校内に設置している利点を生かした活動

・主な支援内容として、学習や運動、様々な体験活動や各種行事などを学校の教育活動として行う

現状の課題としては、支援教室と学校の繋がりをどうやって共有していくか、それぞれの窓口担当者との連携といった原籍校との連携、民間や医療機関、他の支援団体団体などと卒業後の相談窓口の共有といった関係機関との連携が挙げられるそうです。

児童生徒の不登校問題は多様化・複雑化しているだけに、児童生徒各々に対応できる相談体制が改めて必要だと実感しました。

 

『教育相談通学路交通安全プログラムに基づく交通安全対策の推進』

平成24年に京都府亀岡市において通学中の児童ら10人が車にはねられて死傷した事故を発端に、国において通学路の緊急合同点検の実施による危険個所の把握と対策実施の通知がなされ、宇都宮市でも通学路の合同点検の実施とスクールゾーンの設定と対策の重点化等についての検討が行われました。

平成26年には『通学路交通安全プログラム』が策定され、スクールゾーンが設定されました。

具体的には、登下校時に児童生徒が集中する、全小学校の周囲500ⅿの区間において、注意喚起看板の設置を電柱・鉄柱・塀などに約1100枚、啓発リーフレットの配布(約87000枚)、啓発ポスターの掲示(約2000枚)といったソフト対策、ハード対策として『スクールゾーン』路面標示を68小学校区287箇所に設置。

その後も、『合同点検の実施』『対策の検討』⇒『対策の実施』⇒『対策効果の把握』」⇒『対策の改善・充実』といったPDCAサイクルを活用した対策を推進し、ハード・ソフト対策を6年間で716件の対応を実施されたそうです。

現状の課題としては、学校によって取り組み状況に温度差があるため、改めて保護者・地域・学校の情報共有と連携をしっかりとすることが必要。また、企業などに車での出退勤時におけるスクールゾーンの啓発を強化していきいとのことです。

また、ハード対策として、側道のカラー舗装等で歩車分離による歩行者空間の確保を拡げていきたいとのことでした。

 

車中心となっている現代社会で、交通弱者である児童生徒の安全確保は必須なだけに、他の自治体の参考事例はどんどん提案していきたいと思います。

 

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