2017年1月の投稿一覧
三日目は、柏市において『長寿社会のまちづくり』について視察しました。

柏市の取り組みは、国のモデル事業として実施されている関係から全国各地からの視察が殺到しており、中には韓国や台湾からも視察団が訪問するといった、今、大変注目されているシステムとなっており、本日も山形県天童市議会の皆さんと合同での視察となりました。
この事業は国のモデル事業ということで、柏市だけでなく『UR都市機構』、『東京大学高齢者会総合研究機構』の三者で実施されているそうです。
柏市は都心から30キロ圏内にある東京のベッドタウンとして、高度経済成長期に人口増加して発展しました。
中でも今回視察した柏市の中心部にある『豊四季台団地』はUR都市機構が昭和39年に総戸数4,666戸の団地として開発されましたが、高齢化社会の到来により団塊の世代が一斉に75歳を迎える『2025年問題』の象徴ともいえるコミュニティでもあります。
それだけにその対応には、国も絡んで非常に早い段階から取り組みを進めておられ、平成22年にはUR都市機構、東京大学、柏市の三者で『柏市豊四季台地域高齢社会総合研究会』を発足し、5年間で『在宅医療の促進』『在宅医療を担う医療・介護職の育成』『生きがい就労・生きがい支援』『生涯学習』『高齢者等の住宅』『移動手段』などについて連携協定を締結し、平成27年には『生活支援サービス』『健康づくり・介護予防』を加えた連携をさらに3年間取り組む締結をされており、現在、様々な研究・実践を行っています。
特に平成26年には豊四季団地の中心部に『柏地域医療連携センター』を医師会、歯科医師会、薬剤会の共同で整備し、その施設を柏市に寄付し、医療や介護に関する相談や啓発、在宅医療が必要な方への調整支援、医療・介護の連携強化などの取り組みをされており、在宅医療においては、『在宅支援診療所』が15箇所から31箇所、訪問看護ステーションも12箇所から24箇所と在宅医療に物凄い成果を出され、文字通り柏市の医療拠点となっています。
そしてその周辺の団地をUR都市機構が賃貸住宅、特別養護老人ホーム、認定こども園、サービス付き高齢者住宅、商業施設、戸建マンション等を整備し、既存ストックの有効活用による『終の棲家』として再生したまちを提供する形となっています。

民間分譲マンション

サービス付き高齢者向け住宅

上:仮設店舗で営業中の既存商店
下:団地解体の更地に商店と商業施設が移転予定

UR賃貸住宅内にはカーシェアリング用の車を設置
なお、UR都市機構は今後、平成32年度までには全国で100団地、平成37年度までには150団地を目標に整備する予定としており、『ゆりかごから墓場まで』をコンパクトなまちづくりで実現しようとしています。

UR都市機構の開発整備計画
それぞれの地域において、都市の規模や特性などで一律とはいきませんし、財源も含めて実現可能かどうかは判断できませんが、少なくとも進展する少子高齢化社会の中で、医療・福祉・子育て・教育のすべての市民サービスが提供できる、目指すべきまちづくりのモデルとして大変参考になりました。
二日目は八王子市で『障害のある人もない人も共に安心して暮らせる八王子づくり条例』について視察しました。

平成28年4月に『障害者差別解消法』が施行されましたが、八王子市はそれに先駆ける平成24年に全国で6番目に施行されており、非常に先進的な取り組みをされています。
これは当事者である障害者団体の活動が非常に活発であることが理由にあるそうです。
その後、障害者の雇用の促進等に関する法律が改正され、雇用分野の差別禁止及び合理的配慮の提供を義務付ける条例の改正を行っておられます。
改正点としては、『合理的な配慮の義務化』『女性や児童への配慮』『障害理解教育』『保育の確保』についてをより明確に明文化しています。
さらには、障害者差別解消法では『地方公共団体は、差別相談に的確に応ずるとともに、差別に関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう必要な体制の整備を図ること』が求められたため、『八王子市障害者の権利擁護に関する調整委員会』の体制を7名から20名以内に増員(現在16名)し、宅建取引業協会からも参加をお願いし、より差別の解消に取り組むことができるように体制を強化されています。
非常に先進的な取組みをされておられますが、課題を伺うと『障害理解の周知』が一番ということで、今後の5年先、10年先を見据え、特に児童生徒への理解教育を進め浸透を図っていきたいとのことでした。

来年度から小学校の授業で活用されるガイドブック
その後は、埼玉県越谷市に移動し本日2つ目のテーマとして『助け合いの仕組みづくり』について視察しました。

この事業は、高齢化率が年々上昇する中で、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯の増加が今後益々増加することが予測されている一方で、人と人とのつながりが希薄になり、高齢者の孤立化が懸念される中、高齢者の社会参加や生きがいづくりを支援することを目的に、高齢者が気軽に立ち寄れる居場所づくりを提供するものです。

施設のPRちらし 左:『ふらっと』おおぶくろ 右:『ふらっと』がもう
また、空き店舗が増加する中での空き家の有効活用として『商店街の活性化策』の側面もあったため、経産省の補助も受けながら事業が開始されたそうです。
事業が開始されてから5年が経過しましたが、気軽に立ち寄れる場所があることで定期的に利用する高齢者同士の交流が図られ、顔なじみの関係が構築できた事例や、高齢者だけに限らず、子育て世帯等との交流といった、多世代交流も図られてきているそうです。
今後の課題や展望については、地域包括ケアシステムの構築が推進される中、地域住民が自ら実施する通いの場や生活支援の取り組みが益々求められてくる現状、現在は社会福祉協議会による委託事業として実施されていますが、今後は住民主体の運営を検討する必要があると認識されています。
また、同時に介護保健施設等でのボランティア活動に対するポイント制度も実施されているため、商品券やポイント制などの様々な仕組みに分かれていることも課題であり、今後は地域包括ケアシステムの中で、普段の生活の一部として住民生活の中に組み込んでいきたいとのことでした。

空き店舗を利用した『ふらっと』おおぶくろ

多くの高齢者の方が談笑されていました。

様々なイベント等のお知らせ
改めて、どの自治体も直面している高齢化対策を、それぞれの地域特性に合わせた形態での福祉施策が求められるということを再認識しました。
今日から三日間は所属する会派『市民クラブ』の行政視察となります。
初日のテーマは、相模原市で『公契約条例について』です。


担当職員の方からの説明
公契約条例とは、自治体等の公共工事において働く人の賃金下限額や自治体の責任を定めることで、公共サービスの質の向上や住民の暮らし、地元企業の人材確保などを実現し、地域の活性化につなげる条例とされています。
姫路市でも、ぜひ導入をしてもらいたいと思っていますが、現在のところ導入にまでは至っていないため、政令市でもある相模原市の導入事例を視察に伺いました。
相模原市では、市長の公約で平成22年5月に庁内に検討部会を設置し、労使それぞれの団体と計24回の説明会や意見交換会を開催し、平成24年4月に条例が施行されました。
また、条例当初は予定価格の大きな工事を対象としていましたが、条例の対象外の業務で低い賃金が支払われている工事請負契約や業務委託が判明したため、この条例の目的達成には範囲の拡大や新たな業務の追加が必要であるとの判断から、平成27年4月1日から条例を改正し、工事請負契約については、予定価格『3億円以上』から『1億円以上』に引き下げ、業務委託契約については、予定価格『1,000万円以上』から『500万円以上』に引き下げ、業務内容についても委託契約業務内容を追加したそうです。
現在、約4年が経過しましたが、使用者側からは『同一労働同一賃金の原則から、金額要件をなくし、市が発注する全ての業務を対象にして欲しい』等との意見があり、また労働者側からは『労働意欲の向上や仕事の質の向上につながった』『条例は必要』との意見があったようです。
条例の制定により、劇的に現状が変わるとは思いませんが、それでも相模原市のアンケート調査結果では、『労働者の労働意欲の向上』『事業の質の向上』『賃金水準の活性化』に80%~90%の事業者から『成果があった』『今は成果はないが、今後成果がでると思う』との回答だったそうです。
姫路市では昨年、建設工事で市幹部の贈収賄事件が2件も発生しました。
公契約については『公平・公正』は大原則です。公契約条例の制定はその一助になることは間違いないと思いますので、しっかり姫路市側に提起していきたいと思います。
連合姫路主催の『新春の集い』に参加しました。

主催者を代表しての那須議長の挨拶

連合兵庫 辻会長

太鼓集団『一擲』によるアトラクション
毎年恒例の開催となっており、加盟組合の役員の皆さんが多数参加される中、連合姫路の今年1年の活動がスタートしました。
働く仲間の代表として、生活者・勤労者の生活の向上に向け、それぞれの立場からしっかりと頑張っていくことを参加者全員で確認しました。
地元の老人クラブ(富士悠ゆう会)の新年会にご案内いただきました。


位田会長のご挨拶 今年のテーマは『対話と健康』です。

会員の和田さんが祝い唄として詩吟をご披露されました。
都合で来賓としてのご挨拶をさせていただいた後、退席させていただきましたが、総勢53名の方が参加され、賀寿のお祝いや会食懇親、福引き、カラオケ大会と様々な余興を楽しまれたそうです。
こうやって仲間の皆さんが集い、様々な催しを楽しまれることが元気づくりにつながっているんだなと改めて実感します。
皆さん、ますますお元気で!