第9回小中一貫教育全国サミットin姫路②&『ゆめさき会大懇親会』&『日鉄住金テックスエンジ第1回定期大会』
昨日に引き続き今日は6つの分科会が開催され、私は教育総合センターで開催された第6分科会の『小中一貫教育の評価 ~教育委員会の関わり・役割~』というテーマで栃木県宇都宮市教育委員会と埼玉県八潮市の事例を傍聴しました。
宇都宮市は、小学校68校、中学校25校全ての学校が施設分離型で平成24年度から全地域の学校で導入されたそうで、3年目を迎え市教委として持続的に推進するために検証に力を入れているとの報告でした。
検証ではこれまでの総括として、①児童生徒の学習や中1ギャップの解消、②小中教職員の相互理解の深化、③地域学校園内の小中・小小が連携した取組の充実等について効果が見られたそうです。
今後、持続可能な制度として確立するために、①学校カリキュラムを充実させ、教育活動の一層の充実を目指す。②教職員の相互理解を一層深めることにより、教職員の資質向上を図る。③地域教育力の活用をさらに進めることにより、学校支援の充実を図る。④自主的・自律的な学校運営の推進により『地域とともにある学校づくり』を進める。
といったことを基本方針としてなお一層推進していくと総括されました。
八潮市は、埼玉県の東南端に位置し、『つくばエクスプレス』の開通により首都圏のベットタウンとして近年人口が増加しているそうです。
平成18年度に国の特区認定されて今年度で9年目を迎えるという先行組ですが、当時は『基礎学力の低下』『非行問題行動の多発』『不登校児童生徒の増加』という教育課題を抱えており、特に不登校児童生徒が埼玉県で一1番という不名誉な実態だったそうで、その解決方策として義務教育9年間を一つの括りとした小中一貫教育を導入したという背景だったそうです。
具体的な取組みとして、教職員で構成する4部会(けいかく・まなび・こころ・しえん部会)を設定し、研究推進体制で具体的な実践方法を検討し、毎年2月には4部会合同で報告会を行い成果と確認を行い、9年間でPDCAサイクルが確立され、現在では児童生徒の基礎学力の向上と不登校児童生徒の発生率が大きく減少したそうです。
2教育委員会の報告後に千葉大学の天笠教授が総括と助言をされました。
助言では、
①市教委の役割として、宇都宮市はトップダウン方式、八潮市ではボトムアップ方式での推進体制だが、どちらも市教委が積極的に介入しており、これが上手くいく秘訣で、学校側の自主性を尊重するやり方(丸投げ)では上手くいかない。
②学校の推進体制では、何よりも校長の役割が重要で、市教委からは『させられる』、教職員には『させる』という非常に難しい立ち位置だが、『何のための小中一貫か』ということを教職員に明確にしてやることが重要。
③検証の仕方として、推進と検証を常に同時進行していくことが重要で市教委と学校の評価を連動させることが必要であり、そのためには市教委が各学校のデータの蓄積を検証して、各学校にフィードバックしていくことが重要で、今後は第3者評価制度等も導入してくことが重要。
最後に総括として、小中一貫教育はサミット加盟の市町村教育委員会が主導してここまできたが、文科省を含めた世間がやっと追いついてきた状態ですが、義務教育の教育方針として形は整いつつある。今後は何がテーマか?そこにどう魂を注ぎ込んでいくか?といったようなことにさらに取り組んでいただきたい、とのことでした。
また、千葉教授が中教審特別部会のメンバーだそうで、今日の午後からの会議で小中一貫教育が『小中一貫教育学校』『小中一貫型教育学校』として2016年度から導入する方針だとフライングで参加者に報告がありました。
その後、午後から全体会が姫路市文化センターで行われ、講和やシンポジウムが行われました。
展示されていた姫路市の各中学校ブロックの取組(写真は地元の広畑中ブロックの取組)
オープニングは古知小の和太鼓演奏
黒田官兵衛ゆかりの地の児童生徒による観光ガイド(妻鹿小・灘中)
(御国野小・東中)
私自身、今後の議員活動に非常に参考になる2日間のサミットでした。
夕刻からは、市之郷にある『ザ・ロイヤルクラッシク』で開催された、会社のOB会組織『ゆめさき会』の年に一度の大懇親会で一言ご挨拶せていただき、その後すぐに広畑に戻り、昨年の組織合併により新たに発足した『日鉄住金テックスエンジ広畑労働組合』の第1回定期大会に来賓として出席させていただきご挨拶させていただきました。